当院の近視進行予防治療について
令和8年6月の診療報酬改定により、低濃度アトロピン点眼液を用いた小児近視進行抑制治療が「選定医療」と言う制度の中で認められるようになりました。これは、近年急増している小児近視への社会的関心の高まりを背景に導入された新しい制度です。日本では裸眼視力1.0未満の小中学生が年々増加しており、単に眼鏡が必要になるだけでなく、将来の強度近視や網膜剥離、緑内障、近視性黄斑変性などの危険性も問題視されています。そのため、「近視をできるだけ進ませない治療」への期待が高まってきました。
今回認められた「選定療養」とは、保険診療と自費診療を一定条件で組み合わせて行う制度の一つです。将来の保険導入を前提とする「評価療養」とは異なり、患者さん自身の選択に基づき追加費用を負担する制度です。眼科ではすでに多焦点眼内レンズを用いた白内障手術などで導入されています。
今回の制度では、近視進行抑制を効能として薬事承認を受けた低濃度アトロピン点眼薬のみが対象となります。つまり、海外製剤や院内調製薬など、承認されていない薬剤は選定療養の対象にはなりません。この点は非常に重要です。
また、診療の際に行う眼科検査についても細かなルールが定められました。近視進行抑制治療を受けている患者さんに対しては、年2回まで眼科学的検査を算定できます。ただし、1回の受診で保険算定できる検査は2種類までです。視力検査、屈折検査、眼底検査などが対象になりますが、近年重要視されている「光学的眼軸長測定」も、医師が必要と判断した場合にはこの2項目の中に含めて算定可能とされています。眼軸長は近視進行の客観的指標であり、近視管理では非常に重要な検査です。
一方で、年2回を超えて近視管理のために通院する場合には、基本的には再診料のみの算定となります。つまり、頻回に検査を行っても、その都度自由に保険請求できるわけではありません。
当院では、わずか年2回の検査では近視の進行を把握することは難しく、通常3か月に1回程度の定期検査が必要と判断しています。このため「選定医療」ではなく、全て「自由診療」(3,300円/回)(税込)とさせていただきます。
